フェアバンクス
人口 | 32,000人(周辺地域を合わせると85,000人)アラスカ州第2位 |
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北緯 | 64度49分 |
西経 | 147度52分 |
面積 | 85.988平方キロメートル |
市長 | James C Hayes |
フェアバンクス自治町村長 | Hank Hove |
平均気温 | 1月 -23.3℃ 7月 16.1℃ |
平均気温(最低) | 1月 -27℃ 7月 10℃ |
平均気温(最高) | 1月 -18℃ 7月 22℃ |
過去最低気温 | -54.4℃(1989年1月) |
過去最高気温 | 37.7℃(1915年6月) |
平均降雪量 | 1.72m |
日照時間 | 6月 21時間21分 12月 3時間49分 |
アンカレッジまでの距離 | 576Km |
北極圏までの距離 | 約160Km |
偉大なる大地アラスカの「黄金の心臓()」と自負するフェアバンクス市は、まさにアラスカの中央に位置し、ゴールドラッシュ時代から順調に発達を続けるアラスカ第2の商業都市。現在の人口は32,000人だが、周辺地域と合わせると約85,000人の人々がこの地域に住んでいることになる。マッキンレー山を擁するアラスカ山脈が南に、そして遥かに北にはブルックス山脈がそびえるが、大河ユーコンの支流タナナ川とチェナ川流域にあって、町は平野にゆったりと広がり、樺やエゾ松となだらかな丘陵地が雄大な景観に優しさを加えている。この地は、北半球で最も明るいオーロラが見えるところで、アラスカ州立大学地球物理学研究所のオーロラ研究は世界的に有名である。
フェアバンクスはアラスカ内陸部の中心地であると同時に、北部辺境地域への出入り口でもある。1903年ゴールドラッシュ当時、金を探す人々宿泊および物資交易のために町が造られ、当時の副大統領の名をとってフェアバンクスと命名された(実はこの副大統領はアラスカに来たことがない)。ゴールドラッシュが終わった後も内陸部の中心都市として発展を続け、現在アンカレッジに次ぐアラスカ第2の都市として政治、経済、学術、文化の各面で重要な役割を果たしている。アンカレッジ市を中心として中央南部地方とは定期航空便の他にアラスカ鉄道およびハイウェイで結ばれ、また北部辺境地域とは定期航空便およびチャーター便で結ばれている。
厳冬期には摂氏マイナス23度を越える日が多いが、夏期には摂氏20度を越える日もあり、家庭菜園で野菜や草花が立派に育つ。北緯66度33分の北極圏であるミッドナイトサンの世界へはここから、車で約5時間以上かかる。
市の郊外にはアラスカ大学フェアバンクス校があり、市内にはアラスカが米国領になって100年目の1967年に建設されたアラスカランド・パイオニア公園(テーマパーク)のほか、チェナ川とタナナ川を遊覧する外輪船クルーズもある。また市の北方16kmのハイウェイ上からアラスカ縦断パイプラインを間近に見ることができる。市の東方約100kmにあるチェナ・ホットスプリングスにはロッジ、温泉などの施設があり、冬期オーロラがよく見えるため、近年12月~3月にはオーロラ鑑賞のための日本人観光客が多い。また、市の西南86キロにあるネナナでは、毎年春タナナ川の解氷日時を予想するネナナ・アイス・クラシックが行われる。
フェアバンクスへは、アンカレッジからデナリ国立公園を経由する()があり、石油パイプラインの終点バルディーズ港からは()がある。双方とも1年中通行可能で夏期には観光バスが走り、キャンピングカーやレンタカーによるドライブの旅でも人気のルート。フェアバンクスから北側に延びる道路は4本あり、いずれも金鉱の町と結ばれている。()はパイプライン建設当時の産業道路で、()北極圏デッドホースまで延びている。
またフェアバンクスにはアイルソン・エアーフォースベースがあり、8,245人の人々がここで働いている。アラスカでは1990年に比べると全体で7.3%このような米軍基地で働いている人が減っている。第二次世界大戦の時にはこのフェアバンクスが地理上軍事的な意味で非常に重要な役割を担っていたしその後の冷戦時代にも、このアラスカは重要な意味を持っていたが、ここ10年間の間に世界情勢は激しく変化しそれに伴いこれらの軍事施設で働く人も減ってきた。
観光スポット
- フェアバンクス国際空港
- フェアバンクスは地理的にヨーロッパ諸国、北米、環太平洋諸国の三角形の中心に位置しているため多くの航空会社はこのフェアバンクス空港をハブ空港として利用している。そのため町の規模の割には大きな空港がある。カーゴ便としてはエアー・フランス、KLK、ルフト・ハンザ、また旅客便ではデルタ、アラスカなどが利用している。
- 金採掘場
- フェアバンクスにある金の採掘場で、1928年から1959年にかけてここで約30億ドルにものぼる金が採掘された。()は現在()によって所有されていて、夏期の旅行シーズンには毎年約57,000人以上の観光客が訪れる。この採掘場は1984年に国立歴史史跡にも指定されている。この採掘場には現在は昔の採掘者たちの宿舎、当時使われていた採掘機などが残されており、ゴールドラッシュ当時の写真なども飾られている。観光客は砂金採りにも挑戦できる。冬季は閉鎖している。
- ベントリーモール
- フェアバンクスで一番大きいモール。隣には24時間営業スーパーのセーフウェイと大規模なオフィス用品店のオフィスマックス、そしてアート&クラフト専門店のミッシェルズなどがある。モール内には他にも靴屋、本屋、洋服屋、CDショップ、コーヒーショップなどが入っている。
- ログキャビン・ビジターインフォメーション・センター
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1959年にアラスカが準州から州に昇格したことを祝って作られた。芝生で覆われた屋根は、アラスカ開拓時代のパイオニアの人々が使っていた生活の知恵で、夏は動物に荒らされない畑となり、冬は断熱材の役目を果たしている。
インフォメーションセンターにはフェアバンクス在住のスタッフとボランティアが1年を通して働いている。彼らは旅行のインフォメーション以外にもフェアバンクスので生活の話など話してくれ、ドイツ語、日本語を話すスタッフもいて、海外からのビジターにも大きな助けとなっている。
ログキャビンでは400以上のフェアバンクスエリアやデナリ国立公園でのアトラクション、ホテル・ロッジ、ツアー、レストラン、ショッピング、キャンプ、交通手段などのブローシャーがある。バローからケチカンまでのアラスカの他の地域のインフォメーションも得られる。夏期にはボランティアが鉄道駅と空港にブースを出して旅行者の観光案内をしている。
夏期(5月~9月):毎日オープン
冬季(10月~4月):月~金オープン - ゴールデン・ハート・パーク
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ログキャビンの裏手、チェナ川とダウンタウンの中心地を見渡すところに位置し、フェアバンクスの未来に夢を託して、地元住人の努力と協力により1987年に建設された。公園建設に携わった住人の名前は と彫られた台座に刻まれています。ハイライトはマルコム・アレキサンダー氏作品の (この地に住んでいた”知られざる最初のファミリー”)と題された大きな立像が公園の中心地にある。脇には「遠く、風の彼方を見ている彼らは誰なんだろう?疲れた目をして周囲に気を配り、何も恐れることはなく、凍てついたこの川の辺にて”ここが我々の大地”とつぶやく。どこから…、どうしてこの地にきたのだろう?知られざる最初のファミリー…。」
で始まるマルコム氏の詩が書かれている。 - イマキュリッツ・コンセンプション教会
- 1904年に建造されたフェアバンクス最初のカトリック教会。もともとは現在の位置から300m程離れたチェナ川の反対側にあったのだが、フランシス・モンロー牧師の提案で、教会は病院の隣りにあった方が良いということで、1911年の冬に大胆にも教会をジャッキアップして凍てついたチェナ川に下ろし、馬で引いて現在の場所に移動させた。病院は現在デナリ・ステートバンクになっている。現在はこの教会は、国立歴史記念建造物に制定されているが、今でも活発に活動を続けている。ローマン・カトリックのこの教会の屋根には、美しいマリア像が飾られ、中にはステンドグラスやスズをあしらった天井や壁、また懺悔室を見学する事ができる。
- チェナ川
- フェアバンクスの発祥に不可欠な要素であったチェナ川は、タナナ川に流れ込み、そのタナナ川はユーコン河と合流し、最後にベーリング海へと流れていく。川はいまでも”道路”として利用されていて、夏はボート、冬はスノーモービル、犬ぞり、車が川を走ります。1967年に、チェナ川が大洪水を起こし、街を深さ2~3メートルの水で覆い、7500万ドル以上の被害をもたらした。
- アラスカ鉄道フェアバンクス駅
- 全米最北の鉄道駅。元はゴールドマイニングが盛んだった頃、チャタニカ村方面に走っていたタナナ・バレー鉄道の駅として1905年に建てられた。現在のアラスカ鉄道のアンカレッジーフェアバンクス間の路線は1923年に完成され、1985年に州が連邦政府から買い取った。現在は夏期の観光客以外に、石油、石炭などアンカレッジ、スワードの港まで運んでいる。夏期にはアンカレッジから毎日1往復あるが、冬季には週1便になる。
- アラスカランド
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ダウンタウンと空港の中間、チェナ川のほとりに広がるアラスカで唯一のテーマパークで、1967年にアラスカがロシアからアメリカ領になって100年めを祝う”アラスカ100年祭”の際に建設された。アラスカ開拓史のなかでフェアバンクスが果たしてきた重要な歴史を表現している。派手なアトラクションはないが、フェアバンクスの歴史を知るには絶好のテーマパークである。
44エーカーの公園内には-
大統領特別車両
1923年7月アラスカ鉄道の建設完成を記念して当時の大統領ウォーレン・ハーディングの手によって、ゴールドの鉄道レール用の釘が打ち込まれた。この車両はそのとき大統領が乗った特別車で、豪華な造りになっている。またアラスカの美しい自然が楽しめるように、窓が大きく作られている。 -
外輪船ニナナ号
1933年から1952年の当時道路網が発達していなかった頃、チェナ川、タナナ川、ユーコン川を利用して物資輸送や交通機関として活躍した。現在では国定歴史建造物に指定されている。 -
パイオニアホール
1900年代の建築を再現した建物。一部はゴールドラッシュ時代の開拓時代コレクションを展示する博物館になっている。シアターではゴールドラッシュ時代を再現したショーが催される。
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大統領特別車両
- フレッドマイヤー
- フェアバンクスでは比較的大きいマーケットであるフレッドマイヤーでは、食料品をはじめ、生活雑貨、衣料品、電気製品、アウトドア製品などなんでもそろう。簡単な食事もとることができる。